メガネを外すと美人になるタイプ

1/8
前へ
/158ページ
次へ

メガネを外すと美人になるタイプ

○●○ 住沢高校から一駅離れたところにある大きなショッピングセンターは、私たちにとって定番の遊び場だ。 安くて可愛い洋服の店はたくさんあるし、流行りのスイーツ類の店は何店舗も入っている。 付近にカラオケやボウリング場なんかもあり、私も休日に由梨と出かけるときはだいたいここに来ている。 日曜日の今日も私は朝から由梨に誘われて、このショッピングセンターの洋服屋巡りに付き合っていた。 「うーん……さっきの薄緑のスカートも可愛かったけど、こっちの青いワンピースも捨てがたいのよね……」 あまり多くない財布の中身と相談しながら、由梨はかれこれ一時間ぐらい悩んでいる。 モデル体型の由梨は何を着ても似合うんだから、安い方選んでおけば良いのに。 「ねえ、在花は何も買わないの?」 「買ったよ。あそこの端っこで70%オフになってたやつ」 「相変わらずセール品しか買わないわね。良いの?安くなってるってことはつまり流行おくれの売れ残りじゃない」 「十分だと思うけど……。どうせ休みの日に出かけることなんてそんなに多くないから」 食材の買い出しなんかは、いつも学校帰りに制服のまま行っちゃうし。 そう考えると、制服さえあればそんなに服っていらないんだよなあ。 「もったいないなあ。在花ってよく見たらすごい可愛いのに。ね、一回着飾らせてよ!メイクとかもしてみてさ」 「えー……。あんまり華やかなの好きじゃないし、化粧品とか結構な値段するからいいよ」 「つまんなーい!あ、わたしやっぱりこっちのワンピースにする。買ってくるね」
/158ページ

最初のコメントを投稿しよう!

652人が本棚に入れています
本棚に追加