メガネを外すと美人になるタイプ

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やっと決まったみたい。 由梨の洋服選びに付き合ったから、今度は私の番だ。 今使ってるのよりもう一回り大きいフライパンが欲しいんだよね。あとはキッチンペーパーも補充しておきたい。 店のロゴが入った紙袋を持って戻ってきた由梨にそう伝えると、「やっぱり主婦ってる~」と笑われてしまった。 「えっと、フライパン売ってるのは確かあっちの方だったかな」 広くてどこに何が売られているのかがなかなか覚えられない。 私はきょろきょろとキッチン用品売場を探しながら由梨と並んで歩く。 すると、由梨が突然私の服をちょいちょいと引っ張った。 「ねえ在花、あれって……」 妙に緊張した声だ。私は不審に思って由梨が指さす方を見た。 そっちの方に何かがあるようには見えなかった。さらに目をこらすと、遠くの方にカップルと思しき男女の姿があった。 知り合いなのかな?と思って見ているうちにようやく気が付いた。 ……男の子の方、遠坂くんだ。 「だ、誰なのよあの隣の女」 由梨は私の手をギュッとつかむ。 「在花、尾行しよう」 「え⁉さすがにやめておいた方がいいんじゃ……」 「お願い」 震える声でお願いされて、私は大きくため息をついた。 それで由梨の気が済むのなら協力してあげよう。 ……まあ、私も気にならないわけでもないし。 つい先日、かなりの人見知りが発覚した遠坂くん。 嘘をついているようには見えなかったから、付き合ってる人はいないものだと思っていたけど……。
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