人見知りにもちゃんと友達はいる

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遠坂くんが私の言葉を遮って名前を呼んだ。 あ、やばい。しゃべりすぎた? 遠坂くんは静かに食卓を見下ろして言った。 「杉野のことより、もうこれ食べて良い?」 「あ、ごめん……。お腹空いてるよね。食べよう」 「いただきます」 失敗失敗。 そりゃあ私が杉野くんにお世話になっていた話とかどうでも良いよね。 私は、よく煮込んだロールキャベツをお箸でひと口大に切り、口に運ぶ。 噛むと、中から肉汁がじゅわっとあふれ出し、キャベツの甘味とコンソメ味のスープが混ざり合う。 うん、ちゃんと美味しくできた。 煮込んだコンソメスープにも、キャベツの味がしっかり溶け出している。 私はちらりと遠坂くんに目を向ける。 相変わらず何も言わないけど、美味しいものを食べたときの表情だけは実にわかりやすい。 ぱあっと顔が明るくなって、夢中で食べ進めていく。やっぱりちょっと可愛い。 「そういえば、小野山さんの話で思い出したけど、体育祭って来月だよね」 遠坂くんはお皿の料理を完食し、ごちそうさまでした、と手を合わせてから思い出したように言った。 「実行委員、頑張って」 「うん!遠坂くんは体育祭で何に出るとか決めてたりするの?」 「……積極的に出たいとは思わないけど、たぶん選抜リレーと100メートル走は参加させられる。小野山さんは?」 「私は足遅いから全員参加の大縄跳びだけのつもり。遠坂くん、足速いんだね」 「一応、中学の時は陸上部だったから」
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