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部活後の休憩
「今日も疲れたー」
彩也香が呟いた。
部活の指導が終わり子どもたちを帰した後だ。
終わった後は大抵顧問で集まって職員室の給湯室で休憩する。
何人かで座れるスペースがあり長机も置いてある。お菓子も買ってあるので先生たちの休憩場所になっているのだ。
部活後の休憩には佑哉も一緒だ。しかし話をふるのは大抵彩也香か、男子バスケのもう一人の顧問の宮園である。宮園は十年目の男性教師だ。泉や佑哉は聞き役が多かった。また話の内容も部活のことが多い。
今日も部活の子どもたちの様子を話していると、
「お疲れー」
給湯室に、直樹と坂下が入ってきた。坂下は六年目の男性教師である。
二人は野球部の顧問をしていた。
部活の後の休憩はこの六人ですることが多かった。
野球部の様子を聞くと直樹が子どもの練習態度がダラダラしてたから叱ったと言っていた。
直樹は泉と同期だが言い方が厳しいところがあり、彼のことを苦手意識がある子どももいるようだ。
だが初任の頃から直樹は泉が困っていると、すぐ声を掛けてくれたり助けてくれて頼りになった。
泉は直樹のことはこの人が同期で良かったと心から思っている。
また泉は高学年の一部の子どもに舐められやすいところがあったが直樹にはないので少し劣等感も抱いていた。
三十分ぐらい休憩した後それぞれ仕事にかかろうということになった。
泉も自分の席に戻ろうとしたがふと思い出し、
「あ!」と声に出してしまった。
「どうした?」
たまたま側にいた佑哉が反応したが、大したことではないので「いえ。別に」と返事をした。
直樹も気付いたようで「大丈夫か。また何かしたか」と声を掛けてくれたが、「大丈夫。大丈夫」と言ってそのまま職員室を出た。
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