次の日の朝

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次の日の朝

 ………  …頭がズキズキする。  あれ、私いつのまにか寝ちゃったみたい。  もう少しまどろみたい。  泉は抱き枕に力をこめた。    …?    抱き枕ってこんな固かったっけ?  泉はだんだん意識が覚醒しだした。  抱き枕はずい分長くて足まで当たる。  それも全く柔らかさはなく足の部分は何だかジョリッとする。  何かおかしい。  泉は目を覚ました。  目の前にあるのは枕ではなく、人だった。  視線を上に上げると直樹の寝顔が見えた。  背中にも感触があり振り返ると直樹に腕枕をされている。 !?  泉は飛び起きた。そして自分の格好を見ると上半身は昨夜の服を着ていたが、下は下着姿だった。 「キヤッ!」  泉は叫んで寝ている隣の直樹を思いっきりつきとばした。 「わっわっ」  直樹はいきなり押されてベットから落ちてしまった。    上半身だけ起き上がり泉の方を向いて頭をかきながら「何すんだよ」と言った。  そう言ってる直樹も上は服を着てるが、下はトランクス姿だ。  泉は慌てて布団を胸までかき上げ、 「な、な、何で紫原先生がここにいるの?」と聞いた。 「えっ覚えてねーの?」 直樹はキョトンとしている。  泉は首を縦にブンブンと振った。 「水瀬サン、昨日めちゃ酔っ払ってて俺がタクシーでここまで連れてきたんだけど」 「えっ?」 泉は驚いた。 「何とかここに着いたはいいけど水瀬サン全然会話成り立たないし、スカート勝手に脱いでベットでカーカー寝出して戸締まりしてくれる気全くないし。 俺、仕方ないからしばらくベットの側に座り込んでいたら水瀬サンが急に起き上がって抱き枕がないとか言いだして俺の腕を引っ張ってベットの中に入れたんだぜ。 俺が何言っても聞かないししまいには紫原先生の抱き枕でもいいとか訳わかんねえこと言って俺に抱きついてまたカーカー寝ちゃうし。 俺だって酒飲んでるし眠いしもうどうでもよくなってズボンだけ脱いで寝たんだよ」   直樹はそう言うと立ち上がり床に放ってあったズボンをはきだした。 「紫原先生…あの…」  直樹は泉の問いかけに無視してズボンをはき終えると、 「じゃ、俺行くわ」と言って近くにあった鞄をもちさっさと玄関のドアを開けて出ていってしまった。 「………」   泉は茫然と直樹が出て行った方を見ているしかなかった。
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