8人が本棚に入れています
本棚に追加
「二つ。君は友達ではない」
「え、そうなんです?」
「三つ。君からの情報は信憑性がない。この前なんて呼び出されてわざわざ出向いたのに、クラスメイトのただの恋愛相談だったじゃないか。あれは本当に時間の無駄だったよ」
「恋煩いは立派な案件ですよ。トラブルシューター芦屋としては絶対に落とせない依頼でしたね」
「僕は君みたいな何でも屋じゃないんだ!」
「そんなにすぐに頭に血が上るようじゃ、ご先祖さまの安倍晴明みたいに大成できないですよ」
「グッ!」
痛いところを突かれてしまった。
確かに僕は稀代の陰陽師、安倍晴明の子孫だ。偉大なご先祖に並び立つようにと、清明に寄せて聡明と名付けられた。ちなみに戸籍上の読みは「さとあき」だけれど、周りには「そうめい」と呼んでもらっている。
僕が言葉に詰まっていたら、芦屋道満子はスマホをポケットから取り出した。
「信憑性については安心してください。今日は第三者にも見てわかる情報を持ってきました」
最初のコメントを投稿しよう!