1・発散堂の夜

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「はい、皆様のイライラ解決!発散堂でございます! ハッサン24、24時間受付中です!」御手洗の声はルパン三世のように軽妙だが、今日は掠れ気味だ。 「はい! これはこれは美麗さま、いつも当店のご利用ありがとうございます! どうされました? きょうもあの件でお怒りで?」御手洗にとっては、話を聞くことも仕事の1つだ。 「そうですか、また例のホスト君とモメてるんですね。輝來理(きらり)君が憎いと! ええ・・・ええ・・・」御手洗は相槌を繰り返す。 よくあるキャバ嬢からの電話だ。 「はい、それではいつもどおり、藁人形と5寸釘のセットで、ええ、はい、女性の早乙女を派遣します。ではいますぐ、いつもの神社で」 「菜月ちゃーん さっそくの仕事、頼むわー」御手洗は欠伸をこらえて伸びをした。 「んもー、せっかくの衣装、着替えなくっちゃ」いざ菜月の出番である。
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