GAME START

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 騒々しかった室内が静まり返る。やはり凡人では義父さんの考えを理解することは出来ないか。 「俺たち、ずっとこのままッスか……⁉」  空を切った青年の言葉が狭い室内に反響し、混乱を生み出す。とは言っても、騒いでいるのは不良三人組(バカども)だけだが。  ともあれ、青年の心配は杞憂だ。今から始まるのは完璧な『異端』を作り出すためのデスゲーム。参加者となるのは選ばれた十五人の『異端者』に運営側の人間である僕を入れた十六人だ。 [心配する必要はない、これはゲームだ。君たちにはまず仕掛けを解き、もう一つの部屋にいる参加者達を助けてもらいたい。だが、もし隣人に愛を与える必要はないと考えるのなら、その扉から出て行ってもらっても問題はない。命は保証しよう。もちろん、制限時間は存在する。永遠というものは存在しないのだから。……申し遅れた、私はこのゲームの運営者の一人、仲間達からはイデアと呼ばれている]
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