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「会いたい人、居るだろう?」
エイルの問い掛けに少女は顔を上げる。余程絶望していたのか、目の下が赤く腫れていた。
「俯いているだけじゃ二度と会うことはできない。協力してくれ、君の力が必要になる」
申し出に頷いてエイルの手を取った彼女は制服のスカートを押さえてゆっくりと立ち上がる。そしてずれていた丸眼鏡を掛け直すと両手を握り、涙声で叫んだ。
「お、お願いします!もう一つの部屋にいる私の友達を助けてください!椎那は幼馴染なんです!」
……成程、彼女は友人と共に連れて来られたのか。
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