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「行っちゃいました……。そうだ、俺まだ貴方の名前を聞いてないですよね」
少女の事情を理解できたらしい青年が止まっていた僕に話しかけてくる。思考を遮られた僕が渋々体を向けると、青年は真剣な目つきで「金城救です、よろしくお願いします」と自己紹介した。
あまりの真摯さに吐き気がする。エイルとはまた違った意味で嫌な奴だった。兎も角、エイルがこちらを疑ってきている以上、嘘をまき散らすのは危険だと推測した僕は名前も正直に伝えることにする。
「僕は御霊伊依だ。言っておくが助け合う気はないからな。勘違いするなよ」
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