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横開きのドアの横に付いている鍵穴に興味は無い。どうせ開かないのだから。青年の言う違和感を探そうと壁に近づくと、不健康そうな顔をした眼鏡の男が映った。思わず声を上げそうになるが、その正体に気付いて悲鳴を呑み込んだ。
この壁は光を反射する鏡、またはガラスで出来ているらしい。いつの間に僕はこんなに生活を心配されそうな顔になっていたのだろうか。それよりも、このガラスの向こう側には何が広がっているのかの方が余程大切だった。
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