定説

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定説

 これは、よくワカラナイことを並べている。故に、よくわからないものであるがため、よくワカラナイことを承知で認知せずに続けて欲しい。  星は、どこから読んでも許される。ただし、星が無いならば、話の途中だ。どこから読んでも、理解の範疇(はんちゅう)をこえたもの。すなわち、バラバラになった言葉のカケラである。  これが何だかわからないと言っているにも関わらず「わかる」と思うならば、それで良い。わかるなら、それで良い。ただし、これは、よくワカラナイ。  これは、いつか話した物語の続き――ではない。これは、突拍子も無く、始まり、急に終わる。「私」は、人魚の亡骸を抱えて眠ろう。 あの日見た空は、真っ赤だった。焼け落ちるような残照が瞼を閉じれば鮮明に……。「私」は、このまま朽ちてしまう。私は、脳のある人間だ。有脳人種だ。無脳の彼奴(きゃつ)らに研究を奪われた。  きみの頭の中に脳があるならば、覚えていてくれ給え。ワカラナイことは、ワカラナイ、と。  どうか、どうか、お願いしよう。
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