最終章 運命

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 そして校門を出ると、生徒の言ったとおり、校門の前にしゃがみ込む人影を見つけた。  丸まるようにしゃがみ込んだその人物は、マスクにサングラスに黒いキャップと、なるほど不審者としか称えようがない恰好だ。 「おい、そこでなにをしている」  そう声をかけると、その人物はそこで初めて俺の存在に気づいたというように飛び上がった。そして焦ったようにあわあわと両手を横に振る。  ――女?  キャップから覗いた長い髪が見えて、そう思ったのとほぼ同時だった。不審者がマスクとサングラスとキャップを外したのは。 「え、えっと、不審な者ではないんです……! あなたに会いたくて、ここで待っていただけで……!」  露わになったその素顔を目にした俺は、思わず目を見開いていた。 「梅子……」  梅子が目の前に立っている。  見たこともない制服を着ている上に、俺が知っている梅子よりもほんの少し大人びて見えるが、間違いようがなかった。
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