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「いつもすみません……」
お客さんがいなくなり落ち着いた店内で怜美が隆幸に頭を下げた。
「本当だよ。いい加減にして下さい。コンビニバイト向いてないっすよ」
「はい……」
特に気遣いを見せることなく冷たく言い放つと、イライラしながらも隆幸はレジ金チェックを始めた。
「あれ……?」
今日出勤してから、主に隆幸が使用していた方のキャッシャーのレジ金が合わない。絶対ではないが自分のミスの可能性が高いなと心の中で思う。
(まあいっか……ペアがこいつの時の唯一の特権だ。こいつのせいで忙しくてミスしたわけだしな)
「坂本さん。すまんけど、お金合わないからどうにかしておいて」
「あっ、え……また……ですか」
「ん? なんか言った?」
「い、いえ……」
声も小さくおどおどした対応が更に隆幸の苛立ちを増幅させる。
「舞台女優だかの研修生やってるんだっけ? そんな小さい声でモジモジしてて大丈夫なの? それも才能なさそうだし普通に正社員探せばいいと思うよ」
「…………」
怜美は何も言い返すことなくただ黙っていた。
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