秘密兵器イカリング

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 気が付くと外は明るくなっていた。朝の4時ぐらいまでは記憶があるが、その後はゲームをしながら寝落ちをしてしまったようだ。現在の時刻は午前10時だった。そしてイカリングの数値を見ると61だ。 「まずいぞ……バイトの時間までゲームしなきゃ……」  隆幸は起きてすぐではあるが再度ゲームを始めた。腹は減っているが今の数値では不安が勝り食欲はあまり湧かない。 (マナーの最悪なやつ来い……暴言大歓迎……!)  そう思っていると度々マナーの悪い対戦相手は来たが、隆幸は気付いてしまった。そんな相手が来ると心の中で喜んでしまっている自分に。 (喜んじゃダメなんだよ……くそっ!)  すでにゲームの暴言では苛立ちの感情は生まれなくなっていた。  「ダメだダメだダメだ! もうゲームじゃダメだ!」  イカリングを確認すると数値は56になっていた。起きた時より減っていることにさらに焦りを感じる。  違う手段をすぐに考えなければならない。
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