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一話
ステンドグラスから差し込む朝日が、神殿の礼拝堂を明るく照らしていた。多くの信者が項垂れ耳を傾ける中、澄んだ声が響き渡る。
「神は全ての罪を見つめ、裁かれます。罪を受け入れなさい。見つめなさい。そして、清めなさい」
祭壇で聖書を読み上げているのは、若い一人の女性だった。絹の礼服を纏う姿は神秘的な雰囲気を醸し出していて、どこかの絵画から現れ出たようだ。肩辺りで切りそろえられた銀髪は、日の光を受け白金色に輝いていた。
その姿に見惚れた信者の男が、小声でうっとりとした声を上げる。
「アザレア様、今日も何と神々しい……」
伏せていた金色の瞳が、雑音を呟いた信者へと向けられる。ばつの悪そうな顔を浮かべた男へと、笑みが贈られた。
全てを赦すような、柔らかな笑みだった。
「その寛大なお心でもって我らに恩赦をお与えください。偉大なる御身の指先でもって我らを清め、お救いください」
朝の礼拝は、こうしていつもの如く締めくくれられた。
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