20 終息 

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 私の目にはおまえも王子を好いているように思える。しかし、おまえは王子からの求婚を断ってしまったというではないか。 「家族が許さないからハレムに残れません。駄目なんです」  そう言われてしまった王子は憔悴しきっておられるのだ。しかし、次期王として表向きは凛とした姿勢で暮らさなければならない。  おまえに聞きたい事がある。なぜ、断るのだ?  アズベール国の者たちに親族を殺されたことが、婚約を拒む理由なのであろうか。それらは王子に責任はないことなのだ。おまえが、いつも王子のお傍にいてくださったなら、あの方の魂は救われる。あの方の孤独な心を癒せるのは、おまえしかいない。  年寄りに免じて過去のことは水に流してはくれまいか。王子のお姿を見る度に胸が痛むのだ。ディディよ。王子の願いを受け止めてくれないだろうか。王子はおまえを何より愛している。どうか、王子の気持ちに応えてはくれまいか。          
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