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単純な力は使い方次第でどうにも覆る。知恵で可能にするのだ、知恵も使い方。日常のありがたさは、壊されるからこそ美しい。
そして夕方になり、パン屋さんは明日の日までお休みの時間。僕はミミアーデ様用の夕食を買い付けて、ミミアーデ様のお屋敷に入る。料理を食べ終えた、ミミアーデ様は喜びを示して。
「大変美味しかった。ぜひ私に仕えてくれぬか、見習いなどとは言わずに、ずっとここで、暮らしてくれぬか」
ずっとミミアーデ様に付いていく、パン屋の脇役Aではなく、ミミアーデ様の執事に、ふと不安がよぎる、副業だから勤まっていたのかも知れない、それに僕で良いのだろうか?
「ぼ、僕ですか?」
「もちろんじゃ。使用人達からも、人気が厚いようだ、私は嬉しいぞ」
そこまで言われては、脇役子ちゃんの居るパン屋を捨てるか、ミミアーデ様を捨てるか……。
そしてミミアーデ様は、僕を気に入られてる、執事になったからと言って、それ以下にもなれない、どうしたものか。先輩執事が。
「あの。ミミアーデ様、私と彼とでお話をさせていただきたい。脇役A君こちらへ」
「何ですか、先輩執事さん」
厨房へ引っ張られると、先輩執事が。
「実は、ミミアーデ様が大変気に入られてる様だが、お給料は毎月ミミアーデ様の1%を受け取れるのだ。これは悪い話ではない。ミミアーデ様は、100番プルーフ持ちの、貴族なのだから」
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