前話 副業の試練

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 食事とは命を繋ぐ食べ物である。主人の好みは、先輩執事から教わったが、手抜きしてはいけない。  スーツに着替えると、6星レストランに入り、お持ち帰りを伝えて待ち、受け取ると、店を出て、ミミアーデ様の部屋前に現れ、6星レストランの品を、たずさえて自分の名前と、ノックをする。 「おお、脇役A。待ち焦がれて居たぞ、今日はなんだ? なんだ?」 「ミミアーデ様。6星レストランの、チーズドリアにごさいます」 「うむ。チーズドリアは私好み、ドリアとは中々やるではないか」 「はっ、おほめに預かり光栄です。では失礼します」  ドアを閉める。副業とはいえ、先輩執事は凄いな。パン屋の服装に着替えると、パン屋に戻る。 「ちょっと!! 脇役A君、このお客様をさばくわよ」  丁度、昼飯タイムで客が、行列を作っている。パン屋の給料は、しょっぱい15万、執事の副業は30万。  生活の向上とはいえ、ミミアーデ様からの信頼を勝ち取り、採用となるか不採用となるか。  ミミアーデ様にも、パン屋に勤めて居ることを伝えているから、お早めの食事タイムだが、かきいれどきのお昼タイムは譲れない。  使用人も居る事だし、なんとかしてもらえるとありがたいのだが。14日まで客は絶えなかった。 「さ、脇役A君、お食事しましょ」 「ふー。脇役子ちゃん、なんとか抜けたね」  僕も食べなければならない、パン屋に就職すると昨日のショーケース、商品見せ棚にあるパンを食べられる。  そこから、コロッケサンドとイノシシウィンナーサンドを食べる。  そうこうしてはいられない、ミミアーデ様の15日のスイーツを、練らなくてはならない、かといって作れる訳ではない。時間は迫っている。  やはり5星ティラミスにするか、それとも新しいスイーツにするか、僕の町人経験が執事に生かされる。
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