終話 選択

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終話 選択

 何とか掛け持ちする手段を手に入れた僕は、夕の日まで真面目に働くつもりだった。  これで長いトイレと言わずに済む。パン屋の方は順調で、昨日コックに渡したミミアーデ様用の食事は順調に進んで居るようだ。脇役子ちゃんが。 「脇役A君、今日は長いトイレ、行かないのね」 「まあ。体調不良から解放されたんだよ」 「そう、それなら良いけど」  そう、真面目に副業するのだ。メインのパン屋も悪くないけどね。長いトイレでごまかせてた方が凄いよ。  レジに立つ僕は、買い物客の注文する品を、業務用マジックポケットリングから取り出して確認する。  この指輪の平行世界の袋には、商品からお金まで入ってる、30種類の大量のパン、にお金、そこからお釣りを取り出し、数えて確認、取り引き成立。  お昼のお客様ラッシュを、さばいて静かになる。お食事タイムだ、隣の部屋で脇役子ちゃんと食べている。 「うーん。今日は普通ですね」 「特に長いトイレは、気にしなくて良いよ」  脇役子ちゃんが。 「ほんっとうに、お昼ラッシュに抜けられたら大変だよ」 「そうだね。でも、僕達も人間。トイレに行く事だってある。思い通りにならない事もあるけど、気張らずやっていこう」 「そうね」  脇役子ちゃんが言うと、僕はパンを食べ終える。ヌシに向かうハンターさんは、戦えない僕にとっては、ある種のあこがれを抱いていた。  モンスターを倒す力に魅了された時もあった、しかし僕にとっては知恵こそ万物を超えた力だと納得。ハンターさんの腕っぷしがあっても、肝心の職人の武器が無ければ成り立たない。
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