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プロローグ
はあ、はあ、はあ
どれだけ走り続けたのだろう
肺が白く燃えそうに熱い
俺は、両手を膝について頭を下げた
だらだらと汗がしたたり落ちてくる
息を落ち着けようとしたが、後ろから追手が迫ってきていた
ロボット警察、通称AIポリス
ダサい名前だ いかにもこの国らしい
ロボットというが、奴らは自由自在に己の姿を変える
追いかけてくるときは、たいてい丸い球のようだ
銀色の弾丸のようにも見える
段差があるところでは、四足歩行のケモノのような形になる
奴らの唯一の弱点は、視覚はあるが嗅覚がないところ
視界から逃れることができれば、逃げおおせるチャンスが生まれる
来た!
俺は振り返って背後を確認した
前には奈落の底まで続く、銀色の割れ目が広がっている
飛び降りろ!怖がるな!
俺は、大きく息を吸うと、目をつぶって裂け目にとびこんだ
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