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琴子
銀色に深く広がる裂け目に落ちていきながら、
俺はさまざまなことを思い出していた
小学校時代
蓮見という嫌な奴がいた
自主性や個性という言葉が重んじられ、
俺たちは、目当てを大切にと教えられた
ある時、クラスのお楽しみ会で各班に分かれて
出し物をしようという話になった
俺は、絵が得意で紙芝居が作りたかったけど、
蓮見に却下された
身体が大きくて、気が強い蓮見には
班のメンバーは、誰も逆らえなかった
結局、イヤイヤ、コントまがいのものをやらされて
案の定、俺はいじられ役にまわった
それから中学校時代
中学で思い出すのは、いつも琴子のことだ
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