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琴子とは、二年のときに初めて同じクラスになった
とりたてて美人というわけでもないが、
笑うとコスモスの花が咲いたように可愛らしい
琴子と話していると、俺はまるで自分が
超一流のお笑い芸人になったような気がする
俺の言ったつまらないギャグに、うれしそうに
笑い転げる君を見るのが好きだった
君と初めて喋ったのは、いつだったっけ?
多分、一学期の半ば、消しゴムを忘れた時だったと思う
何度も筆箱の中を探す俺に、君は自分の消しゴムを
カッターナイフで半分に切ると、黙って渡してくれたんだ
生まれて初めて女の子に親切にしてもらって
気恥ずかしかったのを覚えている
「ありがとう」
そう言うと、君は花が咲くように笑ったんだ
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