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後悔
二年の終わりに俺は琴子からバレンタインデーの
チョコをもらった
初めてのチョコレートに俺の心は舞い上がった
もしかしたら、義理チョコかもしれない
でも、嬉しかった
俺は色々考えて、ホワイトデーのお返しに
琴子に彼女の好きなキャラクターの
文房具を上げようと準備した
だが、それを渡そうと学校にもっていったときに
蓮見に見つかって、ひどくからかわれた
「お前、これ誰に渡すの?もしかして神林?」
プレゼントを取り上げて、クラス中に聞こえるような大声で
蓮見は笑い転げた
「やめろよ。返せよ」
「ウソだろ。マジで神林?お前、あんな地味な女がいいの?」
「返せってば」
俺は悔しさと恥ずかしさで涙が出てきた
もう何もかも台無しだ
「神林さ~ん。神林さんってこいつが好きなの?」
蓮見にからかわれて、琴子はうつむいた
「やめろってば。ちげーよ!俺は神林なんか、なんとも思ってないから」
琴子は顔を上げない。ただ、肩が震えてるのが見えて
俺ははっとした。
なんだ、俺は何をした?
俺は自分の意気地のなさに怒りと絶望を感じた
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