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 そこでようやく理解する。俺にキャッチャーをやれと言うのだ。俺は嶋基博を思い出し膝を開いて姿勢を変える。「動くなよ」と言うと白波君は両手を大きく振りかぶった。左脚を上げて強く踏み込む。右手から放たれたボールは見たことのない速度でこちらに迫る。弾けるような音とともに手の平から肘に衝撃が走った。余韻のように腕全体が痺れた。
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