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まやの滑り台
ある日…お爺さんはボクを連れて豆腐屋さんに行った。なんて偶然だ。そこはボクの生家『ジーマミー豆腐屋・金城店』だった。
ほら、偶然は必然だ。
『心』は引き合っている。
「ただいま!太郎だよ!文子!まやちゃん!」
「…あら可愛い」文子はボクの頭を撫でリンゴをくれた。ボクは皮ごとかぶりついた。
まやは…両手で身体を引きずりながら近づいてきた。
「ボクは太郎だよ。生まれ変わったんだ。」
目を丸くしている。無理もない。死んだはずの男が生まれ変わったんだから。
まやはボクを長い間待っていたと言った。ボクの手はまやのブランコさ。ボクの肩はまやの滑り台さ。ボクの背中はまやのタクシーさ。足なんか必要ないさ。
「ヒッ」まやはボクのお尻を触った。
やめろ!ボクは赤面しお尻は真っ赤になっていた。女は遠慮を知らない生き物だな。
『まやにとっては…高梨さんちが幸せなんだと思います。よろしくお願いします。』と引き渡してくれた。
ボクの願いはほぼ叶っていた。
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