第二章 割り込む

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それからも僕は、よく彼と会話を交わした。交わした、というよりは、一方的に話かけたと言ったほうが正確だろう。だからなのか、やがて彼は僕と話すことを拒否した。昨日の放課後、帰り道でのことだった。彼は僕に告げた。迷惑だからもう話しかけないでくれ、目障りだから付きまとうのはやめれくれと。 正直、想像はしていた。いつか自分は嫌われる、近々もう会うことすらできなくなる、こんなこと僕でも分かっていた。 だったら僕はどうすればいい? 付きまとうなと言われて、大人しく言うことを聞けばいい? いや、それはまだ、今の僕にはできないだろう。なんせ僕は今、図書館にいる。そして一人で黙々と勉強をする彼を見ている。 僕はまだ彼に会おうとしている。 こんなに嫌われているのに何故だろう、彼と話せなくなることが、どうしても嫌だった。
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