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やあ、いい子もそうでない子も元気にしているかな。
僕はホワイトドラゴンの末裔。今日も遺跡探索に行ってきたんだ。
この遺跡は、一面が白い岩壁に囲まれていて、地面がなぜか木でできている。夜でも明るいことがあれば、昼間でも暗いことがあるという訳の変わらない代物なんだ。
ここにはニンゲンという巨人が住んでいて、様々な奇跡を起こす。
実は、その不可思議な遺跡の中でね、常に怒っている白い物体に出遭ったんだ。姿はね、丸っこいくせに独特のいかつさのある。そうだなぁ、身近な動物で例えるなら甲羅の巨大猛獣カメくらいかな。いや、物体の方が大きいか。
とにかく、その中でも特に目についたのは…大きな穴、ちょうど僕の背丈くらいの長方形の穴から大量の湯気が出てくる。プシュー、プシューって感じにね。
それは一定間隔で噴き出しているから、ただ単に呼吸しているだけかとも思ったんだけど、更に近づいて耳を澄ませてみると、物体のお腹の中から、ボコボコ、ボココボココボココボココ…という低い唸り声のような音が聞こえてくるんだよ。
プシュープシューで、ボココボココボココボココ…ということは、これはもうただ事ではないと直感したんだ。
もちろんビビってなんかいない。僕はホワイトドラゴンの末裔だからね。強いし、勇敢だし、鳴き声も美しいんだ。だから言ってやった。
『お前、何が不満でそんな声出してるんだよ!』
す、すると、その白い物体は返事をしたんだ。
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