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「七番どこだよ……クソッ……さっさと出て来いよなぁ……」
明らかにイライラとしている助手に向って、博士は苦言を呈した。
「おい、もう少し丁寧に扱いたまえ」
「しゃーねーっしょ、引き出しン中、ぐっちゃぐちゃで分かんねーんすよ」
「君が今、ぐちゃぐちゃにしたんだ。私大きさ順にきちんとしまっておる」
「だったら自分で取って下さいよぉっ!!」
声を荒げる助手に対し、博士はあくまで落ち着いた口調で言い返した。
「手が離せんから頼んどるんだよ。君は助手なんだからそれぐらいやってもらわにゃ困る」
「好きで助手やってんじゃないんすよねぇ……」
イライラの治まらない様子で助手は引き出しの中をひっかきまわし続けた。
「君、この間ワシが言ったセラピーには行ったかね?」
「セラピー? 何でしたっけ?」
「怒りをコントロールするためのセラピーじゃ。君はちょっと感情をコントロールできなさ過ぎるところがあるようだからな」
博士の言葉に、助手は一つ体を震わせ、それから怒りの表情で博士を睨みつけた。
「大きなお世話っすよ。自分の感情ぐらい、自分で制御できますから。……ああクソッ!! 口金、ねーっすよ!!」
助手は引き出しのへりを拳で強く叩きながら大声を出す助手を見ながら、博士も眉を吊り上げた。
「ちっとも制御できていないじゃないか」
「はあ? 今のは無いってことを言っただけでしょう!? 大体、整理が悪いんですよ、この引き出し!!」
「だからそれは今、君がかき回したからだろうが!!」
「……ざっけんなよ!! 俺のせいかよこのクソが!!」
助手は博士をにらみつけながらそう怒鳴り、片足で地面を強く蹴りつけた。
怒鳴り声の大きさに、びりびりとガラスが震えるようだった。
「やはり君は感情のコントロールがまったくなっちゃいないようだ。娘からも聞いているぞ、君の家での態度をな」
「態度? 態度って何です? あいつ、何言いやがったんです?」
助手は目を血走らせながら博士に詰め寄っていく。
数歩後ずさりながら、博士は負けじと助手をにらみつける。
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