振り向いて、安芸くん!

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そして迎えた放課後。あの後、安芸からLIMEがきて放課後、教室に迎えに来てくれる事になった。 そわそわしたまま授業が終わり、部活に向かった成海を見届け、人が疎らになった教室で待機している。 何を話そうか等と脳内で色々考えていたら、安芸が教室へ入ってきた。俺の教室に安芸がいるだなんて、何だか感動する。しかも、俺を迎えに来てくれたとか嬉しすぎて最早泣ける。 「ごめん花菱、ちょっと友達に捕まっちゃって遅くなった」 「全然!気にしないでいいよ」 「ありがと。じゃ、帰るか」 二人揃って教室を出ると、ちらほらと廊下にいる女子達からの視線を感じた。 珍しい組み合わせだから、見られるのも仕方がないのかもしれないなと思う。しかも、安芸はイケメンだし。 この人俺の彼氏(仮)なんですよー!!と叫びたい気持ちを何とか抑えて、隣を歩く。 「花菱さ、今日時間ある?よかったら、どっかよってかない?」 「え、うん!よる。よりたい」 「ふふ……ほんと、花菱って何か可愛いよな」 また優しく笑うものだから、思わず頬が熱くなってしまった。好きな人に言われる、可愛いがこんなに嬉しいものだなんて知らなかった。 このままじゃ俺の心臓がもたない。瀕死。でも幸せだから良い。 「どっか行きたいとことかある?」 「どこでも!あ、でも良かったら色々話したい。安芸の事色々教えてほしいし、俺の事も色々知ってほしいから」 「おっけー。じゃ、俺の家来る?家ならゆっくり話せるだろうし」 ………い、いえ?家。自宅。好きな人の部屋。 そんなの行くに決まってる。 「行きたい!」 「ん、じゃあ行こう。うちお菓子とかないから、コンビニ寄ってっていい?」 こんなに幸せでいいのか?と思いながら、安芸の言葉に全力で頷いた。
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