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プロローグ
あれは、いつのことだっただろう。
「お母さん! お星さま、すごい!」
「本当だ。流れ星がたくさん見えるね」
幾筋もの光が長く尾を引き、夜空を駆けては消えていく。
一つ、また一つ。
命を燃やすように。
「あれっ」
「どうしたの?」
「お母さん、あの変な光も、お星さま?」
流星群が降り注ぐ中、一つだけ異様な動きをする光があった。
緑と赤、二種類の光が点滅しながら、フワフワと変則的に移動していく。
「うん? どれのこと?」
「ほら、あれだよ!」
どんなに指を差しても、お母さんには見えないらしい。
ふと、どこかでリ……ンと、鈴が響くような音がした。
――――キミハ、ダレダ?
胸の中で響いた声に、幼い私は笑顔で答える。
「星那」
それが、生まれて初めての、「UFO」との出会いだった。
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