11日目『いなせなロコモーション』/サザン 8th Sg

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11日目『いなせなロコモーション』/サザン 8th Sg

⭐️収録曲:  1.いなせなロコモーション  2.LOVE SICK CHIKEN ⭐️発売日:1980年5月21日 ⭐️最高位:16位 ⭐️売上枚数:11万枚 商業的に裏目続きの“ファイブ・ロック・ショー”で、唯一とも言える救いだったのが『いなせなロコモーション』のヒットでしょう。サザンの夏の代表曲となったこのシングル曲なのですが、やっぱりもっとメディアを生かせれば特大ヒットの予感がするだけに少々悔やまれます。 それにしても、今までデビューから夏のイメージを意識してきたサザンですが、この曲ほど、正面切ってのサマーソングは初めてではないでしょうか。というのは、全編に挿入されているビーチボーイズ風のコーラスや、ダントツにカラフルなサウンドに絡めた陽気なロックビート。 “C調”もイントロからサマーチューンなのですが、この曲ほどの派手さは無かったです。 歌詞も実に前向きで、一人さみしく浜辺に体育座りしているヤツなどいません。この感覚は、のちの『太陽は罪な奴』や『みんなのうた』に受け継がれていきますが、どの曲も夏の野外ライブでは欠かせない存在です。 陽気さが根っこにあって、それを夏に絡めていくような楽曲。それは、サザンのサマーソングの真骨頂ですが、最近のサザンの曲に、こういう明るく楽しいノリノリのサマーチューンが少なくなっているようで、少し寂しいと勝手に思っていたところ、、意外や意外に桑田さんソロ最新曲の『炎の聖歌隊』は嬉しかった!のですが・・・。 そして、全体を見渡せば、それぞれの年代の要所要所で、アクセントとして、桑田さんはこうしたサマーチューンを残している事に気付かされるのです。 最近の音楽シーンもまた、自由なフィールドを広げているはずなのに、こういう体育会系と学芸会系をミックスジュースにして吹きこぼすようなノビノビと暑苦しいバンドや曲は、あまりない気がします。どこかで、格好つけて、キチンとし過ぎているような気がしてなりません。 音楽の“楽”を“学”にしているような、小難しいような? 34年前に生まれた『いなせなロコモーション』の歌詞のぶっとび度は本当にスゴイ。「踊ろよマッシュポテト」「浮気な女に後家サバイバー」なんて歌詞は、20周年ライブの時に、爆笑問題もおっしゃいましたが、意味が分からない。いや、それを探そうとすること自体が無意味。意味なんてそもそも無いのです。 サザンの楽曲はフィーリングとノリを重視した歌詞が、初期を頂点として、かなり多いです。「BeachBoysにならグッドバイブレーションだったかしらヒップあたりゆれて」なんて歌詞のノリは当時の日本にいたミュージシャンの一体誰が可能にできたでしょうか?まずサザンにしかできない所業。 桑田さんが作った下地が無ければ、湘南乃風の「濡れたまんまでイっちゃって~」も、オレンジレンジの「上海ハニーと浜辺社交ダンス」も、リップスライムの「常夏の楽園ベイビー」なんてノリの歌詞も現われなかったでしょう(?たとえが、思いついたサマーソングで・・・雑でスミマセン) だから、若いミュージシャンは、毎年、夏が来る度に、この曲に手を合わせて正座してなさいと思うんですよね。自分達の祖先はおそらくこの辺じゃないかなぁ~と。10年先、20年先に見つめ直してもらえるとこの曲も浮かばれると思います(死んでないけど。。。) サザンの残した足跡を辿る時、必ずこの曲の重要度が分かってくると思います。意味など無い、たわいもない歌詞をノリにのせることで輝かせるという職人芸の極限に挑み続けてきたサザンオールスターズ。マネできるもんならしてみなさいな(笑)・・・ただ、サザンはさらにその先に進んで行ってしまっているのですが。
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