22日目『ボディ・スペシャルⅡ (BODY SPECIAL)』/サザン 17th Sg

1/1
前へ
/106ページ
次へ

22日目『ボディ・スペシャルⅡ (BODY SPECIAL)』/サザン 17th Sg

⭐️収録曲:  1.ボディ・スペシャルⅡ(BODY SPECIAL)  2.ボディ・スペシャルⅠ(BODY SPECIAL) ⭐️発売日:1983年3月5日 ⭐️最高位:10位 ⭐️売上枚数:32万枚 『ボディ・スペシャルⅡ』と言えば、もうライブ抜きには語れないでしょう。熱狂的な“oh!yeah!”と“oh!no!”のコール&レスポンス。サザンとファン、ステージとスタンドアリーナが、直接繋がれるゴールデンタイムを演出する貴重な曲。 個人的には、サザンのシングルの中で、初めての本格的なロックナンバーは、この曲だと思っています。“シンドバッド”に始まる“歌謡ロック”も、サザンならではですが、シビれるような本格的なロック・ナンバーは、このシングル曲が初めてではないでしょうか? そして、注目すべきはアレンジ面です。デジタルの打ち込みも、この曲でだいぶ使用されていますが、この後、リリースされるアルバム『綺麗』はタイトル通り“綺麗なサウンド”で、今までのサザンの熱量的バンドグルーヴをギリギリまで磨き落とし、それまでのサウンドをガラリと変えてしまうものでした。 泥は洗えば落ちるものですが、そんな泥も味わい深くてたまらないものもあります。だから、なんとなく合成洗剤で洗って見映えのいいようにワックスがけしたものは、違和感もあります。ただ、それをサザンらしく無いとか、失敗だとか、そのような事でもなく、それもまたサザンらしさなのかもしれません 今にして聴けば、時代の音という捉え方が出てくるのも否めませんし、『ボディ・スペシャルⅡ』があと、1、2年早かったり、5年遅かったりして生まれていたならば、違う趣の曲になっていたようにも感じてしまうのも事実です。 82年に再び脚光を浴び、どうしても、大衆の期待に応えなければならなくなったサザンにとって、デシダル化の波は避けて通れない道だったと思います。あるいは、積極的に受け入れた部分もあるかもしれません。 どちらにしても、このデジタル期は、のちに、デジタルアレンジならではの名曲を続々と生み出すことになるのですから、選択としては正しかったのでしょう。 ところで、このシングルのジャケ写も非常に衝撃的な仕上がりになっているのですが、ジャケ写から見ても、サザンのシングルは、徐々に大衆寄りの、印象的なモノが多くなり、それまで単なるラベルとして扱われていたジャケ写が『Big Star Star Blues』あたりから凝ったモノが多くなっていきます。 82年の3枚のシングルのジャケ写は、どれも独自性があって面白く、83年以降も、その好調さは続き、このシングルでは、サザンーーいや、日本の邦楽界の歴史に残るジャケ写となったワケです。 "国民的バンド"と言われ始めたサザンにとって、NHK紅白での“三波春夫コスプレパフォーマンス”や、81年の“オカマ女装ライブ騒動(原さんの曲が放送禁止になった抗議として)”、そして、今回のジャケ写など、PTAが喜ばないような活動は、まるで自らの寿命を縮めるような暴挙としか言えません。 さらに、時代は変わったもので、現代ではこうしたサザンを受け入れる皿があまりにも小さくなってしまい、窮屈さを感じます。 サザンは、決して“国民的バンド”なんて綺麗な冠を持つバンドではなくて、もっともっと庶民的で小粋で、ちょっとハメを外しちゃうけど憎めない"おっちょこちょいバンド"なのです。そういう面でも決して時代に流されるバンドであってほしくないのです。 どうかこれからも、“問題児”サザンを大目に見れる世の中であれ。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加