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6日目『思い過ごしも恋のうち』/サザン 4th Sg
⭐️収録曲:
1.思い過ごしも恋のうち
2.ブルースへようこそ
⭐️発売日:1979年7月25日
⭐️最高位:7位
⭐️売上枚数:22万枚
サザンが『いとしのエリー』の大ヒットによって、もはや飛ぶ鳥を落とす勢いになっていた頃、それを象徴するかのような快進撃的一曲、それがこの『思い過ごしも恋のうち』です。
私は、この曲が初期の元気ハツラツなサザンのイメージにぴったりで大好きです。明るく楽しいサザンオールスターズを最も印象付けた名曲ではないでしょうか。
サザンにとって応援ソングは、初期から多く見られるのですが、『当って砕けろ』にしても、この曲にしても、実に前向きで、それが桑田さんの性格をよく表している気がしてなりません。
“何とかなるだろう”と言うと丸投げのように受け止められがちですが、“しっかり全力を尽くせば・・・”という前置きが桑田さんの場合あると思います。
よく、人に対して無責任に「がんばれよ」と声をかける人がいます。ともすれば、単なる口先だけの勇気づけですが、「今はきっと苦しいだろう。でも、がんばれ。そうすれば何とかなるさ」と言ってくれると何か気が楽になります。
“相手が苦しみを分かってくれている”“本気で自分の事を思ってくれている”という安心感がそうさせるのでしょう。
「たまに会ってる様じゃ おたがいの事 分かりはしないだろう」
「心に残る言葉を云わなけりゃ どうにもならないよ」
なんてフレーズを聞くと、不思議とそんな安心感が出てきます。
なぜなら、そこに理解と、桑田さんなりの"いたわり"が存在するからです。サザンの歌はとにかく人に対して優しい。バラードも、切なさの中に、そっといたわるように思い出を優しくなぞる心地よさを漂わせています。そこには共感と呼ぶべきものがあるから。
ひと昔前「電車男」(古い・・・?)というベストセラーにもなったドラマがありましたが、当時、このドラマに『思い過ごしも恋のうち』をテーマ曲にしたら絶対ハマるんじゃないかなと強く思ったものです。
恋愛に臆病な青年が、ネットの仲間達からのエールで、告白し、恋を成就していくという現代的ラブストーリーですが、本質的には、『思い過ごしも恋のうち』に通じる普遍的なモノがあります。人は支えなしでは、突き進む事ができない。たとえ顔を知らない人同士でも心が通じ合えば、人を励ます事だってできる。
「男は立てよ 行けよ女のもとへ」
こんな言葉だって、サザンの明るいメロディーとコーラスによって不思議に勇気付られてしまいます。
「思い過ごしも恋 それでもいい 今のうち」
そうだ「それでいい」んだ。とにかく、思い立ったら「男は立てよ」なんだ。
“若い恋は一瞬的なもの”と言いますが、そんな意味も含めて、大きく恋愛というモノをとらえていないとこのような表現はなかなかできないと思います。
『みんなのうた』の「愛を止めないで 君よあるがまま」、『素敵な夢を叶えましょう』の「まだ見ぬ青い空を飛ぶためにReady?」、『君こそスターだ』の「生まれ変わらないと歩いていかないと太陽が照らす道を」、そして、桑田さんのソロ最新曲『SMILE〜晴れ渡る空のように〜』の「心折れないで でなきゃモテないじゃん‼︎」など一連の前向きな歌詞も同じ感触がします。
もっとサザンや桑田さんの音楽を聴きたいと思うのなら、この要素が、含まれているから。サザンの源とも言ってよい前向きなエールを私は見逃さずにいたいです。そう、たとえそれが“思い過ごし”だとしても、それでもいい・・・なんて。。
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