転がるおにぎり

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転がるおにぎり

 運命をその手に掴んだなら、決して手放してはならない。  手の中の英単語帳に書かれたイディオムを頭の中で和訳する。ページをめくって答え合わせをすると、正解。ほっと小さく吐息をこぼし、芝崎康介(しばさきこうすけ)は単語帳から視線を上げた。  薄曇りの空はかすかに灰色がかっていて、遠くから射す陽光もどこかぼんやりとしている。まるで空いっぱいに薄い膜が張っているようだ。  二月末、暦の上ではすでに春。けれど、すうっと背後から通り抜けて吹いた風はいまだ肌を刺すように冷たい。はためいてほどけかけた青色のマフラーを巻きなおしながら、そっと周囲を見回してみる。生真面目そうな男子生徒がせかせかと足早に隣を追い越していった。  目の前いっぱいに広がるのは、見慣れない広大なキャンパス。まるで映画かドラマのセットのような、どこか作り物のように感じる校舎と校舎の間を、黒や紺の制服の群れが流れるようにそぞろ歩いている。まるで一つの意思を持った生き物のようにうねりながら進むその群れは、けれど実際は個々としてしのぎを削り合うライバル同士だ。  俯き加減で歩く背中はどれも殺気立っていて、重苦しい雰囲気をべったりと張り付けている。まるで仇討にでも向かう武士のようだな、と康介は頭の隅でちらりと思う。斬られてしまえばそこで終わりの、一騎討の一発勝負。そう考えて、思わずごくりと唾を飲みこむ。まさにその通り、受験とは個人で挑む一発勝負だ。これから始まる試験に己の実力を全部ぶつけられるかどうかで今まで積み上げてきた努力の結果が、そしてこれからの運命が決まってしまう。知らず知らずのうちに指先に力がこもっていた。手の中の単語帳の表紙に大きく書かれた「絶対合格!」の文字に皺が寄ってしまい、慌てて表紙を撫でさする。  ふう、と息を吐き出す。自分で思っているよりも緊張しているようだ。友人たちからは「神経が図太い」だの「心臓が毛むくじゃらなんだろう」だのと言われてきたし、自分でもあまり物怖じするタイプではないと思っていただけに、ガチガチに強張った指先がまるで自分のものではないみたいだ。今までにない速さで打ち鳴らされている鼓動の音がドクンドクンと全身に反響して、足元は雲を踏むように心許ない。康介はポリポリと頭をかいた。こんなんじゃダメだ、なんとかして心を落ち着かせないと。自分に言い聞かせながら再び単語帳を開きなおし、没頭するように視線を落とす。  暗い色で埋め尽くされたの制服の波に流されるように試験会場の校舎へと足を踏み入れる。高校のような整然とした窮屈さは感じられない、広くて大らかな雰囲気の、どっしりとした貫禄のある校舎。思わず圧倒される。胸の鼓動がより一層速くなって、ぎゅ、と肩に力が入る。カチコチになりながら、ぎこちない足取りで広い廊下を進んで行く。  試験会場は四階だ。永遠に続くかのように思えた長い階段を上り、最後の一段に右足をかけたとき、手に持っていた単語帳がバサリと足元に落ちてしまった。慌てて身をよじり、階段に取り残されたそれを拾う。  ──次の瞬間、ドサドサドサッと派手な音が階段に響き渡った。康介の背負っていたリュックサックから中の荷物がなだれ落ちたのだ。電車の中で単語帳を取り出したときにちゃんと閉められていなかったのだろう、ペンケースやら受験票の入ったファイルやら昼食のおにぎりが入ったランチバッグなどが階段のあちこちに点々と散らばっている。  康介は顔が熱くなるのを感じた。周りの人の視線が頬に刺さる。クスクスと低く響く笑い声、迷惑そうに眉をひそめる顔、「うわ、縁起わる」という聞こえよがしな呟き。みんな遠巻きにこちらを眺めながら、階段に散らばる康介の荷物を避けるようにして通り過ぎていく。顔を上げることができない。いつもならこれくらいのことなど気にしないのに、極限まで張り詰めた今の精神状態ではどうしようもなく恥ずかしいし、居たたまれない。うつむいたまま、階段を上ってくる人たちから逆行するように落ちたものを拾い集める。  と、そのとき、目の前に参考書が差し出された。びっしりとふせんが貼られたそれは、さっき康介のリュックから滑り落ちていったものだ。パッと顔を上げる。  そこにいたのは、ひどく整った顔立ちをした男子生徒だった。  つり目がちな目はキリリと涼やかで、瞳は夜を閉じこめたような深い漆黒。すらりと通った鼻筋と、その下で色づく唇はまるで開いたばかりの桜の花のようだ。シャープな輪郭に小さな頭。さらさらのストレートヘアは艶やかでまさしく烏の濡れ羽色だ。長いまつげがきめの細かい頬の上に淡く影を落としている様子が、どこか儚げな印象を与える。参考書を掴む指もすんなりと細く長かった。瞬きも忘れて、康介は目の前の彼を見つめる。 「……あの、これ」  男子生徒が困惑したような声で呼びかける。康介はハッと我に返った。慌てて差し出された参考書を受け取る。 「ごめん、ありがとう!」 「あとこれも」  続いて差し出されたおにぎりの入ったランチバッグも、さっき階段を滑り落ちていったものだ。わざわざ拾い集めてくれたのだろう。他の人はみな、クスクスと笑ったり顔をしかめたりしながら避けていったというのに。じわりと胸の奥が熱くなる。強張っていた肩から力が抜けていくのが分かった。 「うん、わざわざありがとう」  受け取った荷物をリュックに詰めなおした後、康介はまっすぐに彼の目を見た。端正な顔はにこりともしない無表情で、だからこそ、誰かが落としたものを拾うという行為は彼の中で当たり前のことなのだろうと窺える気がした。 「ほんとに助かったよ。あの、もしよかったらコレ、もらってくれない? 何かお礼がしたくて」  康介は受け取ったばかりの黒いランチバッグの中から、ラップに包まれたおにぎりを一つ取り出す。それは、今朝康介が自ら握ったものだ。  目の前にある切れ長の目がわずかに見開かれる。黒い瞳に困惑の色が浮かぶのが分かり、康介は慌てて前言撤回した。 「いや、ごめん迷惑だよね。それに落ちたおにぎりなんて縁起悪いし……」  嬉しさのあまり突っ走りすぎたかもしれない、という自覚がじわじわと湧いてくる。康介は目を逸らしつつ、差し出した包みをおずおずと引っ込めようとする。  が、その手からすっと包みが受け取られた。 「おにぎりはむしろ転がった方が運がいいだろ」  無表情だった顔が、ふっ、と綻ぶように笑った。柔らかくなったその表情に、思わず目を奪われる。心臓の鼓動が大きく跳ね上がった。一瞬遅れて彼の言葉の意味が脳に浸透してくる。彼が言っているのは昔話『おむすびころりん』のことだろう。その茶目っ気が意外で可愛らしくて、ぎゅっと胸を掴まれたような心地だ。ほどけるように頬が緩む。 「これ、ありがと」  おにぎりを軽く持ち上げてみせた彼に、康介はぶんぶんと大きく頭を振った。 「ううん。こちらこそ、いろいろとありがとう」 「ん」  小さく顎を引いて頷いた彼は、そのまま振り返らずに歩いて行ってしまった。紺色のコートに包まれたその後ろ姿を眺めながら、康介はぎゅっと手のひらを握りしめる。まだ胸のあたりはじんわりとあたたかい。さっきまで全身を支配していた緊張は、もうどこにも残っていなかった。  緊張がほどけたおかげか、試験の手応えは充分にあった。これまでの努力の成果をすべて解答用紙にぶつけられたように思う。康介は淀みなくシャーペンを動かしながら、ちらりと頭の隅であの黒髪の彼の顔を思い浮かべた。彼がいなかったら、失敗を引きずったままのボロボロの精神状態で試験に臨むことになっていたはずだ。改めて感謝をしつつ、どうか彼も充分に実力が発揮できますように、と祈る。  やがて最終科目の試験終了を告げるチャイムが鳴り、全教科の試験が終わった。  お疲れ様でした、と壇上で挨拶する先生の声を聞きながら、康介は試験会場内をぐるりと見回した。どこかにあの彼がいないか、生徒一人ひとりの顔に素早く目を走らせる。もう一度、話がしたい。きちんとお礼が言いたいし、顔を見て声が聞きたい。  けれど、広い会場を埋め尽くすように並んだ顔の中に、彼の端正な顔は見当たらない。解散の号令の後も、素早く荷物を片付けてさっさと会場から出ていく生徒たちの姿の中に必死に目を凝らして彼を探す。それでも、混み合う学生の流れの中にあの綺麗な後ろ姿は見つからない。康介はがっくりと肩を落とした。  結局、校門を出るまでの道中でも彼の姿を見つけ出すことはできなかった。  落胆しつつ、受験生と彼らを迎えに来た保護者たちでごった返した正門へと向かう。康介もここで待ち合わせをしているのだ。ごちゃごちゃとした人混みから少し離れたところに見慣れた着物姿の長身を見つけ、足早に駆け寄る。 「康介、お疲れさま」  養父である松雲(しょううん)が朗らかに笑う。普段着として着物を愛用している彼は、今日もお気に入りの濃藍色の(あわせ)に薄い灰色の羽織という出で立ちだ。珍しい恰好だからやたらと目立っていて、受験生もその保護者も、その場にいる誰もがちらちらと彼を見ている。康介は小さく苦笑いをこぼした。 「おや、何だか浮かない顔ですね。試験は難しかったのですか?」  康介の表情を明後日の方向に勘違いしたようで、彼は心配そうに康介の顔を覗きこんだ。 「いや、うーん……」 「なんだか煮え切らない返事ですね。まぁ、康介はあれだけ頑張っていたのですから、後はなるようになれば良いくらいの気持ちでいれば大丈夫ですよ」 「うん」  実際は、落ち込んでいるのは全く別の事についてなのだけれど、それを言うとゲンコツを食らうこと請け合いだ。余計なことは言わないまま、神妙な顔で返事をしておく。 「さ、取り敢えず今は駅まで急ぎましょう。電車が行っちゃいます」 「そうだな」  県外から受験しに来ているので、これから電車に乗って家まで帰らなくてはならない。名残惜しいけれど、もう行かないといけない。康介はかたく手のひらを握りしめ、名残惜しさを振り切るように右足を踏み出した。  それぞれ大きな荷物を抱えた二人は、駅へと向かう歩調を速めた。 「よかった、間に合ったみたいですね」 「つーかまだ電車来てすらないけど」  駅に着き、改札を抜けてホームに出たが、まだまだ時間に余裕がある。どうやら急ぎすぎたようだ。康介は大きく息をついた。早足で歩き続けたせいで速くなった鼓動を、深呼吸を繰り返して落ち着かせようとする。  そのとき、ふと視界の隅に捉えた人影。ハッとして顔を上げる。  そこにいたのは、あの彼だった。  同じように大きな荷物を抱えながら、向かいのホームに立っている。俯き加減だから表情までは見えないが、纏う雰囲気から彼だと分かる。  凛と伸びた背中。さらさらと流れるような艶やかな黒髪。やっぱり綺麗だ、と噛みしめるように思う。  夕陽に照らされてたった一人で佇む彼は、夕陽のオレンジ色とコートの紺色のコントラストによって神秘的ですらあった。その姿を見つめているとなんだか心臓の鼓動がドクドクとうるさくなる。じっとしていられなくなって、けれど彼から目を離すことができなくて、ただただ立ちすくむほかない。  ぶっきらぼうだけど、優しい彼。笑った顔が柔らかくて、とてもきれいだった。  もっと彼を見ていたい。話してみたい。……もっと彼を知りたい。  そんな願いが胸の中でむくむくと膨らんでいく。康介はダッフルコートの心臓あたりをぎゅっと掴んだ。  不意に鳴り響く、電車の到着を告げるベルの音。ハッと我に返る。  大きな音を立ててホームへ滑りこんだ電車が連れてきた風がマフラーの端をもてあそぶ。電車に遮られて、もう彼の姿は見えなくなっていた。  間抜けな音と共に目の前で開いたドア。  だけど、足が動かない。もしかしたら、もう二度と会えないかもしれない。そう思うと、動けなかった。 「康介? どうかしましたか?」  松雲が問い掛ける声が、ずいぶん近くで聞こえた気がした。 「ううん、何でもないよ」  からからに乾いた口でやっとのことでそれだけ答え、重い足を地面から引き剥がす。  やっと乗りこんだ電車の座席に腰を下ろすと同時に、窓にかじりつくようにして外を眺める。そして、向かいのホームにまだ彼の姿があるのを見つけた。風に靡く黒髪も、涼しい目元も、凛とした立ち姿も、その全てを瞳に焼きつける。試験の結果次第で、もう二度と、会うことが出来ないかもしれないから。考えたくない未来だけど、入試の倍率だって低くはないのだ。この先の未来がどうなるかなんて誰にも分からない。康介は冷たい窓にふれた左手を、ぎゅっと握りしめた。  発車の合図を告げた後、ゆっくりと電車が動き出す。少しずつ遠くなっていく彼を必死になって見つめていると、ふいに彼と目が合った。あ、と思うのと同時に、彼の顔にも驚きに似た色が走る。目を少し見開いて口を「あ」の形に開けた彼の姿を捉えた次の瞬間には、速度を上げた電車によってたちまちその姿は見えなくなってしまった。  あの反応を見るかぎり、彼も自分のことを覚えていてくれたらしい。たったそれだけのことで、直接心臓を掴まれたような気分になる。  飛ぶように後ろへと流れてゆく景色をぼんやりと眺めていると、松雲が不思議そうに顔を覗きこんだ。 「ずいぶんと熱心に窓を見ていますね。何か面白いものでもあるんですか」 「……べつに、そんなんじゃないけど」 「何はともあれ、今日から君は自由の身です。お祝いにお寿司でも食べに行っちゃいましょう」  普段なら何事にも動じない康介がいつになく神妙な様子をしているから、松雲はなにやら勘違いをしているらしい。ぱっと明るく笑ってみせる彼につられるように、康介も顔を綻ばせる。  やれることはやりきった、はずだ。あとは無事に大学で再会できるよう祈るしかない。  康介は膝の上の両手をそっと握りしめた。  それからの日々は飛ぶように過ぎていった。  これまでの勉強漬けの日々の反動からしばらくは勉強のべの字もないほどにダラダラとして過ごし、そうしているうちに卒業式も終わっていた。  そしていつの間にやら、運命の分かれ道。合格発表の日がやってきたのである。  大学のホームページを立ち上げ、特設された合格発表のページを開く。松雲はと言えば、ドキドキするので康介が先に見てください、とか何とか言って違う部屋で待機している。確かに、一人で見る方が自分のタイミングで見られるから良いのだけれど。康介はぽりぽりと頭をかいた。  震えそうになる指を何とか動かして、合格者の受験番号が書かれたPDFファイルを開いた。ずらりと並んだ数字を一つずつたどり、自分の番号を探し出す。  心臓が激しく音を立てる。喉がカラカラに乾いている。見たいような、見たくないような。期待と恐怖とが入り混じった複雑な気持ちで指を動かしていく。  やがて受験番号の上二桁が一致する行にたどり着いた。ごくりと唾を飲みこむ。恐るおそる画面をスクロールして。  見つけた、自分の番号。  信じられない気持ちで手元の受験票を確認するも、そこに示された番号は紛れもなく画面にあるものと同じだ。  何度もなんどもパソコンの画面と受験票を見比べて、ようやくじわじわと実感が湧いてくる。  受かった。本当に、受かったのだ。  康介は深く息を吐いた。身体中から力が抜けていく。 「こ、康介? どうでしたか?」  待ちきれなくなって隣の部屋から出てきた松雲が、襖の隙間から顔を覗かせた。普段は飄々としているくせに、珍しく眉毛を下げて不安そうな表情を浮かべている。おかしい気持ちになりながら、康介はぐっと親指を立てて見せた。すると松雲は、さっきの康介と同じようにふにゃりと力の抜けた笑顔になった。よかった、よかったと呟きながら、着物の袂を振り回してはしゃいだ子どものように飛び跳ねる。 「良かった、本当に良かった。よく頑張りましたね、康介」  何度もなんども繰り返しそう告げながら、松雲は康介の背中を叩いた。 「さ、明日からはまた忙しくなりますからね」 「え、なんで」 「決まっているでしょう、新生活の準備ですよ。新居を決めて家具をそろえて、あっ、入学の手続きなんかもしなくちゃいけませんね」  指折り数えていた松雲は、でも、と言ってくるりと振り返った。 「今日のところはまずお祝いをしましょう! いっぱいご馳走を用意しなくちゃね」 「うん、ありがと」  足取り軽く松雲が部屋から出て行くと、康介はもう一度パソコンの画面に視線を落とした。  あの彼は——参考書を拾ってくれたあの彼は、合格しているのだろうか。  ずらりと並んだ数字の列を見つめながら、康介はそっと両手を組んだ。この数字たちの中に、どうか彼の受験番号もありますように。どうか、彼も受かっていますように。静かに胸の内で唱える。  入試直前に荷物を階段にばら撒いたとき、落ち込んだり委縮したりしないで済んだのは、彼が一緒に拾ってくれたからだ。彼がいなかったら、落ち込んだ気持ちや緊張を引きずったまま試験に臨むことになっていただろう。彼がいなければ、目の前の液晶画面に康介の受験番号は並んでいなかったかもしれないのだ。  だから、改めてきちんとお礼を言いたい。  そう考えて、康介は小さく苦笑をもらした。殊勝なことを考えてみたけれど、本当はそれだけじゃないことを自覚している。本当は、ただ彼に会いたいだけだ。また会いたいし、話がしたい。同じ学校に通いたい。  今度はもっと言葉を交わしたい。仲良くなりたい。もっとたくさん、彼を知りたい。  こんな気持ちははじめてだった。交友関係が広く誰とでも仲良くなれるタイプだと自負しているから、こんなにも鮮烈な感情を誰かひとりに抱いていることが新鮮だ。  四月の入学式で、どうか彼を見つけられますように。  まあその運命の四月を迎える前に、松雲の言う通り下宿するアパートを探したり手続きをしたりと、やらなければならない煩雑なことは山積みなのだけれど。それでも、四月を迎えるため、新しい生活を迎えるためだと思えば全然苦じゃないどころか、むしろ楽しいことのように思えてくる。  康介はキラキラとした目を窓の方へと向けた。外では春を迎えたばかりの澄んだ青空が輝いている。
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