32人が本棚に入れています
本棚に追加
/290ページ
―――
「ほら、自己紹介しなさい。」
「はい……茶々と申します。よ、よろしくお願いします。」
「か、可愛い!ねぇ、市さんの子ども?」
「えぇ。一番上の子です。」
「ずっと会いたいって思ってたんだ。連れて来てくれたんですね。嬉しい!さぁ、早く入って。一緒に遊びましょ。」
「あ……」
「茶々、信長様のご正室の帰蝶様ですよ。いつも文を寄越して下さるでしょう?」
「この方が帰蝶様……お綺麗な方ですね、お母様。」
「やだもう!本当の事言わないでよ。」
赤くなりながら隣の蘭の肩をバシッと叩く。蘭は『うげっ!』と変な声を上げながらその場に蹲った。
「そしてこの方が秀吉さんの奥方のねねさん。お二人とも優しい方だからそう緊張しなくても大丈夫よ。ほら、入りましょう。」
「はい!」
元気よく返事をすると部屋に入って来た。そしてキョロキョロしながら辺りを見回して、ねねの隣に座った市の少し後ろにちょこんと落ち着いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!