再会

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――― 「それにしても無事に帰ってこれて本当に良かったですね。……まぁ、何ていうか良かった事だけではなかったですけど……」 蝶子が言葉を詰まらせると、市は笑顔で言った。 「わたしはこの子達がいてくれればそれで十分ですから。長政様は最期まで自分の信念を貫きました。それは武士として当然の事。わたしは誇りに思います。」 そう言い切る市を尊敬の眼差しで見る三人だった。 「あの……私の方からもご報告があるのですがいいですか?」 その時、ねねがそう言って徐に立ち上がる。蘭と市が不思議そうな顔で見上げると、隣の部屋に続く襖を開けて中に入っていった。しばらくして戻ってくると赤ちゃんを抱えていた。まだ一歳に満たないだろう。 .
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