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―――
「やった!」
ガッツポーズをして飛び上がる。アルコールが燃える時に小さい爆発みたいなものが起きたが、後は順調に燃え続けた。
「能力者を生み出す酒は無くなったけど、これで信長は救われるのかな。」
一人ポツリと呟く。そして未だに聞こえる読経の声を振り切るように走った。延暦寺の最期を見る為に。
「ん……?」
ふと違和感を覚えて立ち止まる。
「あれは……」
その時蘭は見た気がした。ここにいるはずのない人物を。
背中から禍々しいオーラを放ちながら燃え盛る延暦寺を見つめる、信長の姿を……
慌てて頭を振る。そっと目を開けるとそこには誰もいなかった。
「何だ、気のせいか。」
深い溜め息が出る。気を取り直すと秀吉を探しに再び走り出した。
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