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―――
「しかし何故こんな事に……あの覚恕様が火の不始末などするとは思えんが。」
「はっ!まさか……誰かが放火したとか……」
「えぇ!?一体誰が……」
『織田信長』
全員の頭の中にその名前が出るまで時間はかからなかった。
少し前まではほとんど無名の大名だった信長だが、金ヶ崎の合戦や姉川の合戦で一気に知名度が上がった。もちろん悪い意味で。
「もし本当にあいつの仕業なのだとしたら……天は悪魔を生んだのかも知れんな。」
誰かの呟きは轟々と燃え盛る炎の音にかき消されたのだった。
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