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夢は口にして叶えるモノだと言われて育った私は、ヒナタに対して特にそういう話をし続けていたものの、彼女自身の口からは就きたい仕事やなりたいものの話を聞いたことはなかった。
だからこそ、憧れだったこの仕事に就けるようになったことをヒナタに報告したその一年後、彼女から内定の報告が返ってきたときはさすがに驚いた。
「お客さんとして乗ってきたわけじゃなく、同僚としてだから。余計にね、何か、嬉しくて」
「一緒のときだと、先輩いつもそう言いますよね」
「当然よ」
「何か、もう酔ってます?」
「失礼ね」
フィクションとかだとこういうときに、『アナタの瞳に酔っちゃったみたい』なんて言うのだろうか。さすがにそんなことは言えない。恥ずかしすぎる。
――だって、それは事実だから。
だからこそ私は、ほんの少しだけはぐらかす。
「私はてっきり、ヒナタは私のことを追いかけてきてくれたんだと思ってたんだけど」
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