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「わかるわよ? 少し濃いめにつくってもらったでしょ」
「……さすがですね、先輩」
「一年の差って、大きいの」
色合いくらいで見分けは付く。
このくらいの明るさの中で作った事は数知れず。
少しアルコール度数を高めにしてくれ、なんていうオーダーをしてくる男性が多いことだって、重々把握している。
「私を酔わせてどうするつもりだったの?」
冗談めかして続ける。
「別に私は、どちらでも構わなかったわけだけど」
「……そういうところですよ」
「え?」
私から視線を外し、カウンターテーブルを見つめながら、ヒナタは切なそうな声を出した。
長い付き合いの中でも、私が今までに聞いたことが無い色合いを含んだ声に聞こえた。
「え、どういうこと?」
「だって!」
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