後篇

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「……わかった」 「何が、ですか」 「ちょっと待ってて」  カウンターから立つ。  冷静になれば、今自分が取っている行動にヒナタは驚くのだろう。  縋り付くように伸びてきた彼女の手を包み込むように握る。 「もちろん、それもいただくけれど」  すっかり汗がいているカルーアミルクのグラスを見ながら言う。  溶けた氷で幾分か薄まっているだろうけれど、それできっとちょうど良いはずだ。 「お返しをさせて」  そっとヒナタの肩に触れる。  一瞬だけぴくりと跳ねるけれど、それをやわらかく抑えるようにこちらへと抱き寄せる。 「私の本当の想いを載せてあげるから。……だから、受け止めてね?」  ヒナタの頬に口づけをして、私はバックヤードへ向かう。
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