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「……わかった」
「何が、ですか」
「ちょっと待ってて」
カウンターから立つ。
冷静になれば、今自分が取っている行動にヒナタは驚くのだろう。
縋り付くように伸びてきた彼女の手を包み込むように握る。
「もちろん、それもいただくけれど」
すっかり汗がいているカルーアミルクのグラスを見ながら言う。
溶けた氷で幾分か薄まっているだろうけれど、それできっとちょうど良いはずだ。
「お返しをさせて」
そっとヒナタの肩に触れる。
一瞬だけぴくりと跳ねるけれど、それをやわらかく抑えるようにこちらへと抱き寄せる。
「私の本当の想いを載せてあげるから。……だから、受け止めてね?」
ヒナタの頬に口づけをして、私はバックヤードへ向かう。
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