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中篇
着替え終わって、どちらからともなく連絡船のロビーに出る。
これで私たちふたりが担当する仕事は終わりで、あとはデッドヘッドのように過ごすことができる。
かれこれ数日間似たようなルーティーンになっているのもあるけれど、何となくお互いの行く先がいっしょなのは今に始まったことではなかった。
まもなくして、ヒナタの方から口を開いた。
「先輩、晩ご飯……って言うのか微妙ですけど、とりあえずどうします?」
「ヒナタの食べたいもので良いわ。昨日は私が決めちゃったし」
どうしてもパスタが食べたくなってしまった私に、彼女は二つ返事で付き合ってくれた。
「……今日は、半分くらい出してあげる」
「え、ほんとですか」
「ホント」
私がすぐに答えると、ヒナタはスッと私の前に入り込んで、いつものように目を見つめてくる。
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