”カクタス”・フォッシャー 1

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   「ふ…あんたも俺と同じことを思っているだろう。顔に出てるぜ」  今にも息が絶えそうな隣の男が俺に言った。  「そうだな」  「俺はもうすぐ死ぬ…しかしここにデリンジャーがある。お前さんに度胸があるならあのクソ野郎の眉間に一発…こいつを打ち込んでくれないか?」  こいつは捕まる前保安官によってこっぴどい拷問を受けていた奴だ。しかしこいつが銃を持っていたとは驚きだ。なぜ、今すぐこれを使わない?  「さっき…、保安官の袖下から奪った…。あいつらが長旅に疲れて調子づく…この時を…待っていたのよ。だけど…残念ながらもはや俺には指を動かす気力すら残っていない….」  「ホネのある男だ…」
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