第1話 別れ話は屁理屈ばかり

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家に帰ってからは何も手につかず、倒れ込むようにベッドに転がった。 瀬尾 哀乃、この名前が嫌いだった。 名前に「哀」なんて、可愛くないし思い浮かぶのは哀愁だとか悲哀だとか悲しい言葉ばかり。 けれど彼が「哀ちゃん」と呼ぶ瞬間がとても好きだった。その時だけは可愛らしい女の子でいられるような気がしていた。 もう、呼ばれることはないのね。 自分で考えて悲しくなてまた泣いた。
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