ボン・ブーランジェリー

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 呆れた顔か、それとも顔には出さず素っ気ない態度になるか。  空を見上げれば、天候は曇り空だった。  気が重い。だが意を決して、僕はドアを開けた。 「いらっしゃいませ」 「すいません。待ち合わせをしています」  店員さんは「あっ」という声を上げて「こちらへどうぞ」と促してくれた。 「ありがとう。あとブレンドコーヒーを一つください」 「かしこまいりました」  僕は席に腰を下ろした。  彼女は本を読んでいた。 「やぁ、待たせたね」
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