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 黒のブレザーと深緑のチェックのスカート、襟元に同じく深緑のリボン。  俺の母校とは違う高校だけど、ここの制服は俺の時代から変わってないみたいだ。 「そう? ありがと」  俺の内心なんて知ってか知らずか澄まして礼を言う愛に、俺はまったく勝ててない。情けない。  五、六年前には五十センチ近くあった身長差は、もう二十センチもない。  ほとんど何も変わってないような俺と違って、愛はめまぐるしいスピードで変貌して行った。成長して来たんだ。  相変わらず長いストレートの髪も、とっくに以前みたいなツインテールにはしてないしな。  中学は俺の時と同じなら「肩より長い髪は結ぶ」規則だったから、ポニーテールにしたりお団子みたいにしたりしてたっけ。高校は髪型は自由らしくて、今もそのまま垂らしてる。  さらさらの黒髪。  ほんの小っちゃな子どものころから綺麗な子だと思ってたけど、最近は眩しいくらいだ。  ──俺、何言ってんだ?
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