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俺は今、二十五歳。
十歳年下の愛は十五歳。
この年齢差が縮まることは当然ながら永遠にない、んだけど。年を経るごとに「年の差」の感じ方が変わって来てる気がする。
愛が俺に、何というかほのかな恋心? を抱いてるらしいのは知ってた。
そりゃ一応隠す気はあったんだろうけどさ。怖いもの知らずの子どもだからなのか、ワザとなのか、わりと駄々漏れだったしな。
でもそんなの恋に恋する少女の、それこそすぐに遠い過去になっちゃう砂糖菓子みたいな『初恋』だって甘く見てた。
小学生の女の子が「近所のお兄ちゃんが好き」なんて、マンガのネタとしてもベタ過ぎるくらいありふれた話だろ。
だけど、愛はもう高校生だ。子どもだけど子どもじゃない。
俺も大学時代に彼女くらいいた。
何故かどの子とも続かなかったんだけどさ。「遼、あたしのことなんか好きじゃないよね?」なんて言われても、好きじゃなきゃ付き合うわけないだろ! としか答えようもないのに。
……何が悪かったんだろーな。
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