第二章

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第二章

 それから歩いて三十分ほど経った頃。 「――でして、どう思います?」 「……」 「あの?」 「……」 「ちょっとー。無視しないでもらえます?」 今まで好き勝手喋っていた猫がチラリと仰いでくるのが視界の端に映って、僕は仕方なく口を開いた。 「……なに?」 「ミコト話してるんですけど、何か反応してくれません?」 「何で?」 「一人で話してるの寂しいんですよ」 子供かよと僕はため息をついた。 「君は隠れてるんだから外から見えないんだよ。僕が話したら独り言みたいになるじゃん」 「それだと駄目なんですか?」 「……君、僕を変人にしたいわけ?」 ぬいぐるみはまさかーと笑う。 だからその姿で表情を変えるなって。 「それにしてもこれはどこへ向かってるんです?」 「家に決まってるじゃん。こんな時間に他に行くとこなんかないでしょ」 「そんなに冷たく言わないでくださいよー」 こいつ本当にうるさ。 「もう着くけど」 猫の泣き真似を無視して、ほらと僕は前方に見えてきたアパートを指差す。 「おー、あれがお家ですか」 ヒョコとポケットから顔だけ出したぬいぐるみ。アパートの姿を目に焼き付けようとしているかのようにじっと見つめている。 「……なんというか、」 「ボロいとか言うなよ」 「いや言ってないですよ。小さいなとは思いましたけど」 というかそれボロいって自分で認めてるじゃないですか、という突っ込みは聞き流して。階段を上り「蓮見」と書かれた表札の下がる一室の前で足を止める。鞄から鍵を取り出しそのまま開けようとして、僕はもう一度ぬいぐるみに視線を落とした。 「あのさあ、お前ほんとに家まで付いてくる気?」 こんな変な生き物連れて帰りたくないんだけど。 そんな僕の思考を他所に、ぬいぐるみははいと元気よく声を上げた。 「もちろんですよ。そのためにこの姿になったんですから」 「……はあ」 もういいや。 諦めた僕は、おとなしくしててよねとだけ念を押して今度こそ鍵を回した。 「ただいまー」 立て付けの悪いドアがギーッと音を立てる。玄関の先、部屋の奥で何かがガタッと勢いよく立ち上がったのが見えた。 「翔兄!」 ドアの音を余裕で上回る大きな声と満面の笑みで駆け寄ってきたのは、まだ顔に幼さの残る少年。 「おかえりー!」 「ただいま、颯太」 子犬のような印象を与える彼の頭に手を置いてくしゃっと撫でてやる。颯太は嬉しそうに笑って僕を見上げた。 「遅くなってごめん。委員会が長引いて……」 「ううん、大丈夫!」 宿題やってたんだと得意気にする颯太。 「そっか、颯太は偉いな」 「うん!」 大きく頷いた頭をもう一度撫でてから、僕は鞄を置き洗面所へと向かった。手洗いなどを手早く済ませ制服のブレザーをハンガーにかける。ふと時計を見上げれば針はすでに七時を示していた。 「あー……本当に結構遅くなっちゃったな」 無意識に眉をしかめていたことに気付きすぐに戻す。ひとまず洗濯物を出しておこう、とさっき置いた鞄からタオルなどを取り出したところで。 「あ、何するんです?」 話しかけてきたのはぬいぐるみだった。 「……」 「ちょっとちょっと、さっきの人と対応違いすぎですよー。ミコトにも優しく笑いかけてくださいよ、ほら。そして何をするのか速やかに教えてください」 「……」 無言で掴み、あーと間抜けな声を上げるそいつを鞄に放り入れる。ファスナーまでしっかりと閉めた鞄を隅に置き直して僕は立ち上がった。 洗濯機に手の中の衣類を入れた後にシャツを腕捲りしながら台所に立つ。 何が作れるだろうか。今日は買い物行ってないし残ってるものでなにか…… 冷蔵庫を覗こうと身を屈めた時、軽い足音と共に颯太がやって来た。 「翔兄、ご飯作るの?」 「そう。何か食べたいのある?」 颯太は少し考え込むような素振りを見せてから、カレー!と元気に声を上げた。 僕はえっと颯太を振り返る。 「カレーって一昨日もしたけど、そんなのでいいの?」 「俺カレー好きだよ!」 確かに僕が何か食べたいものを聞くと、颯太は大抵その料理名を出してくる。でもさすがに一昨日もしたしなぁ、と悩むけれど。 今から作るのには時間的にも難易度的にも丁度いいし材料もある。 まあいっか、と僕は頷いた。 「ん、いいよ」 「えへへ、やった」 「じゃあすぐに作るから待ってて……」 「俺も手伝う!」 言うが早いか颯太はさっと屈んで冷蔵庫から食材を取り出した。すっかり覚えたカレーの材料。それらを抱えたまま僕の方を見て得意気に笑う姿に僕は…… 「よし、作ろう」 「おー!」 二人で並んで立つ。 颯太が野菜を洗い、僕が切っていく。洗い終わった颯太は鍋を出して、と役割分担のおかげで作業もスムーズだ。あっという間に完成したカレーをお皿によそった昨日の残りのご飯にかける。 「いただきまーす!」 席に着いた颯太はいそいそとスプーンを握りカレーを口に運ぶ。一口、二口と止まらない手はだんだんスピードも速くなって。 僕はそこまでかと苦笑した。 「颯太、そんなに急がなくても」 「だって翔兄のご飯おいしい!」 全部おいしい、と繰り返される。 僕もカレーを口にした。 普通に美味しい。 昔と比べるとだいぶ上達してきたな。 目標にしている母さんの味とはどこか違うけれど、これも悪くない気がした。 それからしばらくは、他愛のない話をしながらゆっくりと食べ進めて。満足げな颯太のものも含め空になった食器を僕は持ち上げた。 「あ、手伝……」 「いいよ。それより風呂でも先に入ってきな」 颯太は一瞬戸惑ったように動きを止めた。 普段は少しだけ手伝って貰っているが今日はいつも通りではない。せっかく申し出てくれたのに断わるのは心苦しいけれど、それよりも僕には気になることがあるのだ。 「わかった。じゃあ行ってくる」 「うん。ゆっくりしてきな」 颯太が着替えを抱え風呂場に行くのを見送り、僕は食器を全て流し台に運んだ。 そしてすぐに玄関に向かい置いていた鞄の前に座り込む。 「ねえ」 小さく呼び掛けてみる。 あんなに騒がしかったはずの奴から返ってこない返事を不思議に思い、ファスナーを開けて中を覗き込めば退屈そうな表情のぬいぐるみと目が合った。 「何だ、いるじゃん」 「そりゃあいますよ。ミコトは閉じ込められてましたからね」 その心なしかぐったりとした様子に僕は首をかしげる。まあ、いいや。 「あのさ、君ご飯っているの?それとも食べなくても平気な感じ?」 そう聞くとぬいぐるみはキョトンと僕を見上げた。 「はい?」 「だから、ご飯が必要なのかって。カレーの残りならあげられるけど?」 何者なのかはまだわからない変な奴だけど、飢え死になんてさせる訳にはいかないし。 そんな思いから来た至って普通な質問だったのだと思うのだけれど、そいつはまだ不思議そうにしていた。 「ミコトは要りませんよ。食事という作業はミコトたちのすることではありませんから」 「えっ、じゃあ何で生きてるの?」 「願いが糧ですからね。ということで願いをください」 ニッコリと笑うぬいぐるみにあっそ、と短く答え立ち上がる。だから冷たいですという呟きは無視した。 夜にでも話を聞いてやろう。色々と興味もあるし聞いてみたいこともある。 食器に水をかけ洗いながら、すでにこの現状を受け入れつつある自分を意外に思った。 ◆◆◆  食後の風呂も入り終わりゆっくりと過ごすこの時間。僕は課題に手をつけ、颯太はゲームを始める。 それがいつもの僕らの過ごし方だった。 だいたい午後十一時頃。颯太がうとうとし始めたらこの時間は終わり。 「ふわぁ……翔兄まだ寝ないの?」 「僕はまだ課題残ってるしね。子供はおやすみー」 子供じゃない!と対抗する颯太の頭をくしゃっと撫でてやる。 そうするとすぐに落ちていく瞳。 「ほら、もう寝な」 「ん……翔兄おやすみ……」 「おやすみ」 寝室にしている部屋は今いる部屋と繋がっている。そちらへと移動していく颯太の足元はすでにふらふらと覚束ない。 やっぱり子供だなあと思うのと同時に、そのことに心のどこかで安堵している自分がいることに気がついた。 タン、と襖が閉まる。 僕は手元の教科書へと視線を戻した。 「……もう出てきていいよ」 さらに十分程した頃に小さくそう口にする。 普段なら沈黙が返ってくるところだが今日は違う。 「あー暗かった。扱いやっぱり雑すぎですよー」 沈黙とは程遠い騒がしさに僕は顔を上げ眉をしかめた。 「静かに。颯太が起きる」 「別に起きてもいいじゃないですか」 ぬいぐるみはとんと僕の横の空間に座り込むと、一瞬にして子供へと姿を変えた。 夕方に見た子供と同じだ。 「何で隠すんです?」 問われ僕は言葉に詰まった。 特に理由はない。 なんとなく。 そんな曖昧な言葉しか浮かばなかった。 答えない僕をじっと見つめていた目の前の子供はすぐに興味を失ったようで。 「別にいいですけどね。スリル、でしたっけ?味わえてミコトは面白いですし」 それよりも、と大きく笑みを浮かべた。 「蓮見翔」 表情は変えずに、発せられたのは今までとは異なる真剣みを帯びた声。 「まず始めに伝えておきますが、願いがないというのは認めません」 「……は?」 思わずポカンと見つめる。 認めないって。 「そんなの僕の自由じゃないか。本当に願いがない人だっているのにそれは……」 「そういうルールなんですよ。ミコトたちは選んだ主人の願いを叶えるまで、次の主人を選ぶことはできないんです」 何そのルール、と僕は呟いた。 意味がわからないし一体何のためのルールなのか。 「なので主人、貴方が願いを口にしない限りミコトはどこにも行けないんです。わかっていただけます?」 そう言われても。 「無いものは無いし……」 「だから見つけて貰うんです!」 子供のように両手をぎゅっと握り込んで真っ直ぐに目を合わせてくる。 きらっとその青い瞳が電気を反射した。 「願いを見つける……ね」 それなら思いつくものを口にすれば終わりじゃないか、と僕は考える。 例えば美味い料理を食べたいとか、新しい食器が欲しいとか。前者は颯太も大喜びだろうし、パッと思いついたにしてはなかなかいい願い事かもしれない。 「言っておきますけど、心からの願いでないと駄目ですよ。適当は認められませんから。真面目にです!」 ……他人の思考を勝手に読むのはやめてほしい。 せっかくの名案をあっさり否定され、自然と僕の口調は不貞腐れたものに変わる。 「適当かどうかの判断までできる訳?」 「当たり前です」 「どうやってさ」 「フィーリングで」 何だよその意味わからない性質。 面倒くさ……とため息をつく僕の目の前で子供はニコリと笑った。どこからか吹いてきた風がふわりとその髪を揺らす。 「ミコトは、願いの精霊のミコトですから」 わかるんですよ、と。 子供……ミコトは告げた。 「……精霊」 「はい」 不思議ともう驚く気持ちは湧いてこなかった。ああそうなのかと納得さえしている。疑う気持ちもなかった。 何でだろう。 自分でもわからない。 こんな非現実的なことをあっさり受け入れられる程、自分は柔らかく無かったはずなのに。 「ちなみに死者の蘇生と未来の変更は受け付けませんのでご注意くださいね」 色々と面倒臭いのでと目の前の子供が本音を漏らしている。 「ねえミコト」 「はい。何ですか主人」 「……いやちょっと待って」 口を開けば間髪入れずに返ってきた応え。 それに違和感を覚え咄嗟に待ったをかけた。 「その主人っていうのは何」 「主人はミコトの主人じゃないですか」 「だからって……というかなったつもりもないけど、とにかくそう呼ぶのは気持ち悪いからやめて」 主人なんて。自分がお偉い身分にでもなったみたいでぞわぞわとする。 僕の反応をどう捉えたのかはわからないが、わかりましたよーとミコトは肩をすくめた。 「じゃあなんて呼べばいいんです?」 「普通に名前でいいでしょ。拘る理由なんてないんだから」 「んー、まあそれもそうですね」 じゃあ翔と呼びます、と宣言された。 「それで翔、何ですか?」 一瞬何のことだと思考を巡らせてから、ミコトに聞こうとしていたことを思い出す。 「ああ、あのさ。僕が願いを言うまでいるって言ってたじゃん」 「言いましたねー」 「それ、ずっと僕に付いてくるってこと?」 明日も通常通り学校がある。 さすがにそこまで付いて来られるのは正直言って面倒くさい。というかそれよりもしてほしいことがあるというか。 「颯太が学校から帰ってくる時に、この家にいてもらうことって可能かな?」 「いいですけど。颯太ってさっきの子ですよね?」 「うん。僕の弟」 弟?とミコトは首をかしげた。 「何ですかそれ?」 「え、何って……同じ親から自分より後に生まれた男児のこと?」 「あぁ、子分ってことですね」 「いやいつの時代の家制度さ」 半ば呆れつつも違うからと否定する。 「家族だよ」 「家族……」 「そう、家族」 ミコトはまだ完全には理解していない様子だった。しばらくじっと黙ってなにやら考えていたようだが、解決したのか諦めたのか、顔を上げて僕を見た。 「それでは契約成立ということで。これからよろしくお願いしますね」 差し出された手をただ眺めていると、ミコトはしびれを切らしたのか無理やり僕の手を掴み自分の手に握らせて。 「そして早く願いを言ってください」 「……」 この数時間ですでに何度も聞いた台詞を、満面の笑みで口にした。 ◆◆◆  朝の家事を一通り終え制服に着替える。 見上げた僕の視線の先で、時計はすでに出る時刻を示していた。 急いで鞄の中身の最終確認をする。 弁当は持った。時間割りも昨日のうちに揃えてある。忘れ物はない。 よし、と鞄を持ち上げ玄関へ向かうと、洗面所からまだ眠たげな様子の颯太が顔を出した。 「翔兄もう出る時間?」 「うん。颯太も早く目を覚ましなよ。学校遅れるよ」 「あー……はあい」 靴を履き立ち上がる。 寝癖の残る頭をポンと軽く叩けば颯太は嬉しそうに目を細めた。 「じゃあ颯太、戸締まりだけ……」 「わかってるって。任せて!」 いってらっしゃーいと元気に手を振る颯太に、行ってきますとしっかり返してから玄関を出る。 眩しい朝の世界が僕を迎えた。 「人間は朝から忙しいんですねー」 僕はちらりと視線を足元に落とす。 とてとてと隣を歩いているのは白猫になったミコト。何故今日は猫なのかと聞くと、何となくですよというあっさりとした答えが返ってきた。 「食事とか掃除とか色々とすることがあって。家事って言うんでしたっけ」 大変ですねーと大して思ってもいなさそうに口にしている。 「あ、でも、ミコトが昔選んだ主人も翔と同じような歳に見えましたけど、確か翔ほど忙しくはしていませんでしたよ?」 「まあ普通の学生の生活はそっちだよ」 「じゃあ翔は普通じゃないんですか?」 何て説明したらいいだろうかと僕は思考する。 「多くの家庭ではたぶん家事は親とかがしてると思う。でもうちはいないから」 「いない?」 ミコトが僕を見上げるのが視界の端に映った。 あれ、言ってなかったっけ。 「うちは一年前に母さんが病気で死んじゃって。父さんも仕事で忙しいから、家事とかは僕がやってるんだよ」 へえーと声を出す猫。 けれどそれだけだった。 興味を失ったのか別の話題へと変えたミコトに、何も言わないんだと僕はぼんやり思った。 こういう話をすると嫌なほど、悲しいねだとか辛いねだとか、寄り添っているつもりの言葉を一方的に言われる。今回もてっきり言われるのだと思っていたから意外だった。 それは大変ですねーなんて軽く言いそうなのに。 本当に読めないな…… 行動も言葉もまったく読めない。 ふざけているのかと思えば突然真面目になったり、かと思えばすぐに興味を失ったり。 ミコトが何を考えているのかもいまいち読めない。 それが少しありがたかった。 「それにしても翔、学校はまだですか?」 「まだだよ。あと三十分くらい」 「そんなにですか?」 「本当はバスで通う予定の通学路だしね。歩けない距離ではないし節約にもなるから僕は歩いてるけど」 「使いましょーよー。ミコト知ってるんですよ、バスという乗り物はとても速いんですよ?」 「僕は使わない。ごねるなら帰れば?」 「だから翔は冷たいんですってば」 一人黙々と歩くだけの通学路。 まだなのかとミコトは言うが、僕にとって今日はいつもよりも時間の流れが速く感じた。 ……誰かが一緒なのもたまには悪くないのかもな。 なんてこっそり思ったのは内緒の話。 それからしばらくブツブツと文句を言っていたかと思えば、何か興味を引く物を見つけるセンサーでも発動したのか、ミコトは色々なものに対してあれは何だ何だと騒ぎ僕を質問責めにし始めた。 適当に答えたり流したりと軽くあしらいつつ歩き続ければ、早いことでもう校門は目の前。 「教室まで付いてくる気?」 「もちろんです」 「……」 それは面倒くさい、と言いかけた口を閉じる。 さっき聞いた話では、今ミコトは僕以外の人からは姿が見えないようになっているらしい。声も聞こえるのは僕だけなのだとか。その言葉を証明するかのように、校門から昇降口までの間本来なら目立つであろうこの猫の存在に反応した人はいなかった。 何なのその能力、と本当に思う。 自称精霊だしありなのか。 僕の声は当たり前に周りにも聞こえるままだから、廊下の喧騒に上手く紛れる声の大きさでミコトに釘を刺す。 「静かにしててよ?気が散るから」 「わかってますってー」 ふわふわとした返答に大丈夫かと不安になるが、まあその時はその時だと思い直して教室のドアを開けた。 「お、蓮見。はよー」 「はよ!」 親しい友人たちが投げてくれた挨拶におはようと返す。 「なあ蓮見もこれ見てくれよ」 「何それ?」 「昨日見つけたゲーム。けっこうおもしれえんだよ!」 「早く来いよー」 「わかったわかった。鞄くらい置かせてよ」 なんて軽いノリで会話をしながら鞄を自席に置く。僕の席は一番後ろという最高の位置。 ミコトはそのまま壁の方へ歩いていった。 どうやらロッカーの上を陣取るようだ。 飛び乗って本物の猫のように伸びをする姿が見える。 「蓮見ー!」 「今行く」 早くと急かされすぐに僕も輪の中へと入っていった。
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