俺は今、火星だよ！

『今どこにいますか？』

俺は何気ない気持ちで、高校の同級生にこんなメールを送った。彼の名前は須賀洋介、高校の卒業式から会っておらず、連絡するのも二十年ぶりだ。

俺は東京の大学に進学し、就職も東京だった。そのため、この二十年間のほとんどを東京で過ごし、実家にはたまに帰ってくるくらいだった。しかし、先月から父が体調を崩しており、しばらく実家にいることになったのだ。母は三年前に他界しており、一人暮らしの父を放っておくわけにはいかない。

しばらく実家にいるので、同級生に連絡でもしてみようと思ったのが事の始まりだったのだが、須賀からの返信は予想もしない内容だった。

『久しぶりだな！　俺は今、火星だよ！』